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2016/10/09【死刑制度の是非について】

 作家で僧侶の瀬戸内寂聴氏が、死刑制度を「殺したがるばかども」などと発言し、全国犯罪被害者の会などから批判の声が上がりました(※)。
これに対して、瀬戸内氏の発言を紹介した日弁連が謝罪に追われました。

 確かに、釈迦在世当時の釈迦教団では、大量殺人を犯して当局に追われていた人物を、諭して仏門に迎え入れ出家させた例があり、大犯罪人であっても改心して修行をすれば、生きながらえて功徳を積むこともありました。

 しかし、こうしたことができたのも、当時の釈迦教団で出家するということがどれほど厳しく覚悟が必要か、社会的に認識されていたという事情がありますし、全ての犯罪者が回心するとも限りません。

 当時とは状況が異なる現代社会では、死刑制度にはそれなりの合理性もあります。
犯罪抑止の観点や、被害者感情に配慮することも必要です。

 ですから、死刑制度に反対する人の中には、犯罪者の更生の機会を失わせるとの理由があるのかもしれませんが、死刑によって罪を償うということを理解するには、あの世で反省が求められるという霊的な観点も必要なのではないかと、今後も議論の余地がありそうです。

※:10月8日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/national/20161008-OYT1T50100.html?from=ycont_top_txt