中国軍の2隻目となる空母の建造中の写真が捉えられました(※)。
中国軍の1隻目の空母「遼寧」は、旧ソ連のいわば中古空母を手に入れて改装したものでしたが、この2隻目の空母は中国国内で建造されており、当初の見立てよりも相当早く来年の進水が予想されます。
中国の国産空母は、現在、米国が建造している次世代の空母と同様に、電磁式カタパルトなど備えた先進的な艦になるとの予想もありましたが、写真からは発艦用のジャンプ台を備えた遼寧の発展型のようです。
遼寧が性能不足や運用ノウハウの欠如などのために満足な稼動ができていないと伝えられるため、2隻目の空母の建造を手堅い設計で前倒ししたとも考えられますが、複数の空母の運用体制が整えば、南シナ海や東シナ海での航空勢力図が大きく変わる可能性があります。
先般、沖縄本島と宮古島の間の区域を始めて中国軍の戦闘機が往復し緊張が高まりましたが、尖閣諸島など沖縄周辺の海域で中国軍の空母が蠢動し、艦載機が活動するようになれば、緊張は一層高まります。
南西諸島では実質的に沖縄本島の那覇にしか航空基地を持たない日本は、既存の防空体制の見直しを図らなければならないと考えます。
具体的には陸上基地の増設とともに、海上自衛隊への短距離離陸垂直着陸型の固定翼機を運用できる軽空母の導入も検討すべきではないでしょうか。
※:10月1日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20160930-OYT1T50166.html?from=ytop_ylist