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2016/10/01【核についてのイスラエルと日本の違い】

 イスラエルのペレス前大統領が死去しました。
ペレス氏は、根深い対立が続くイスラエルとパレスチナとの間の和平に尽力し、その功績によりノーベル平和賞を受賞しています。

 一方で、ペレス氏は公然の秘密となっているイスラエルの核保有の道筋を開いた人物として知られており、イランなどからは批判の声が上がっています。

 現在、中東ではイランの核兵器開発疑惑が問題となっていますが、欧米諸国はイスラエルの核保有を問題視していません。
これには、周囲が敵だらけと言う地政学的要因により、小国イスラエルを防衛する上ではやむを得ないという考え方もありますが、なぜイスラエルだけが核保有を許され、他の中東諸国が核保有を許されないのか、欧米は納得いく説明をしていません。

 一方、日本は周囲を核保有国で囲まれつつあります。
当然、抑止力の観点から日本の核保有が議論になりますが、米国では特に民主党から、日米同盟で米国が核の傘を提供するので日本は核を持つべきではないと言われます。
であるならば、イスラエルに対しても同様の提案をしてもいいはずです。
それができないということは、自国で核を保有することと、核の傘を提供されることとは、意味合いが大きく異なるということになります。

 周囲の脅威にさらされている日本は、最低限の抑止力としての核装備の必要性を真剣に考えなければならないのではないでしょうか。