トランプ氏とクリントン氏による注目の一回目のテレビ討論会が行われました。
米メディアなどの見立てではクリントン氏が優勢だったとの評価ですが、もともと弁護士出身でディベートに慣れているクリントン氏が優勢なのは当たり前で、むしろトランプ氏が無難に乗り切ったとの評価もあり、今回の討論会でどちらかの候補者が明確に優位になったとは言えない結果だったと言えそうです。
単なる舌戦とみるか、本質をついた討論とみるか、見解は分かれるものと思います。
このように、11月の本選に向けて未だに勝者が読めない米大統領選ですが、先にこのブログでも触れましたが、安倍首相は先週訪米した際にクリントン氏とだけ会談しており、クリント氏に肩入れしているとも取れる振る舞いをしています。
一方で、同じく訪米したイスラエルのネタニヤフ首相は、トランプ、クリントンの両氏と会談しています。
イスラエルにとって米国との関係は死活問題でもあるため、こうしたバランス感覚は重要です。
今の日本にとって、イスラエルと同様に米国との同盟関係は、安全保障上の要です。
大統領選での両候補の発言はどうあれ、一般論として、クリントン氏の民主党は中国に融和的で、トランプ氏の共和党は中国を封じ込める姿勢が強く表れています。
日本政府は、クリントン氏が勝てば現在の日米同盟の延長上で外交が展開できると踏んでいるのかもしれませんが、日米同盟での日本の負担増を求めるトランプ氏であっても、中国包囲網を築く上ではむしろ心強い面があります。
トランプ氏が勝利した場合、安倍政権がトランプ氏と強固な関係を構築できるのか懸念が残ります。