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2016/09/17【日本は原発技術で世界に貢献すべきでは】

 イギリスのメイ政権は、中国資本が参加する原発の建設計画を最終的に承認しました(※)。

 メイ首相は前政権が承認したこの原発計画を、安全保障上の懸念があるとして最終的な承認を見送っていましたが、結局、中国との経済的な関係を重視する形で承認しました。

 イギリスでは、更に別の原発の建設計画があり、この原発では中国製の原子炉を使用する予定です。
こちらの原発の最終的な承認はこれからですが、先進国であるイギリスが中国製の原子炉の導入を決めれば、原発の輸出に力を入れる中国にとって強力な追い風となります。

 安全保障よりも経済を重視するイギリスの政治判断には少なからず幻滅しますが、それ以上に中国製原発が世界各地に建設されることに、安全保障上の懸念と共に、純粋に安全上の懸念を抱かずにはいられません。

 やはり、世界が原発を必要としている以上、日本は、自然災害に起因するとは言え世界最大規模の原発事故を経験した国として、世界一安全な原発を作って世界に提供する責務があるのではないでしょうか。

 核は禁断のテクノロジーではありません。
人類が炎を御して利用してきたように、核も自然の現象の一つであり、叡智を結集して人類の役に立つように利用していくべきものと考えます。

 ですから、高速増殖炉「もんじゅ」についても、廃炉にするのではなく、世界に貢献するという志を持って、実用化に向けて研究を継続すべきではないでしょうか。

※:9月15日付日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM15H5U_V10C16A9FF2000/