中国は先のG20会合で、東シナ海や南シナ海で中国が緊張を高めている問題について、争点化を避けることに成功しました。
また、その後に行われたASEANの会合でも、南シナ海の問題で、中国非難を避けることに成功しました。
したたかな中国の外交力の勝利と言えるかもしれません。
こうした中国のしたたかさは、尖閣諸島周辺においても見て取れます。
あれほど領海侵入や接続水域での航行を繰り返していた中国の公船が、G20会合期間中はピタリと侵入を止め、会合が終わると見るや、またもや領海侵入をはじめました。
裏を返せば、如何に中国が国際舞台で東シナ海や南シナ海の問題を取り上げられることが嫌であるかと言うことが分かります。
これは、国際的な包囲網を築かれて封じ込められることを警戒しているということもありますし、国内的には弱みを見せられないという事情があるからかもしれません。
いずれにせよ、日本政府は今一度、対中国外交の立て直しを図る必要があるのではないでしょうか。
18日からニューヨークで国連総会が始まります。
安倍首相が一般討論演説で東シナ海や南シナ海の問題を取り上げることは当然として、中国外交の向こうを張って根回しを駆使し、一カ国でも多くの国に東シナ海や南シナ海の問題で中国に対し懸念を表明してもらうように尽力すべきではないでしょうか。