中国は、自国で開催されるG20サミットに合わせて、パリ協定を批准する手続きを行いました。
「パリ協定」とは、地球温暖化対策を進める国際的な枠組みのことで、米中が参加していなかった「京都議定書」に代わるものです。
パリ協定では、地球温暖化の主要な原因は二酸化炭素などの温室効果ガスであるという前提のもと、温室効果ガスの削減目標を定めていますが、中国などは、現在の温暖化の原因は既に温室効果ガスを大量に排出してきた先進国にあるとして、自国の温室効果ガスの削減には消極的でした。
今回、中国がパリ協定の批准することで、G20サミットの議長国である中国が、大国として国際的な役割を果たしていくという姿勢をアピールする狙いがあると共に、東シナ海や南シナ海での強引な海洋進出に対する国際的な批判を逸らしたい思惑がありそうです。
要するに、地球温暖化の抑制に寄与したいというよりも、政治的な思惑から批准するに至ったと言えます。
そもそも、地球温暖化の最大の原因が温室効果ガスであるという確証はないのですが、G20サミットが中国のペースで進むことに警戒が必要です。
中国は、東シナ海や南シナ海の問題で懸念を抱く国々に対し、G20サミットは経済問題に特化すべきとしていますが、地球温暖化は経済問題というよりも環境問題です。
更には、環境問題も安全保障の問題も、経済に密接に関わっており完全に切り離すことはできません。
日本をはじめ各国の首脳は、G20サミットの場で中国に対し、東シナ海や南シナ海の問題を取り上げてはっきりと対応を迫るべきですし、国際紛争を引き起こしかねない段階ならば糾弾してでも止める必要もあるのではないでしょうか。