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2016/07/27【凄惨な殺傷事件を無くすには】

 神奈川県内の障害者施設で、男が侵入して入所者を刃物で刺すなどして、19人が死亡し、26人がけがをするという凄惨な事件が起きました。
 

 警察署に出頭し逮捕された男は、「意思の疎通ができない人たちを刃物で刺した」などと供述しており、知的障害などを持つ人に対する強い殺意を持っていることが伺えます。
また、その男は、事件のあった施設の元職員で、入所者の人権を否定するような言動から、施設を辞めたとの報道もあります。

 知的障害者など意思の疎通ができない人であっても同じ人間であり人権は尊重されなければならないし、知的障害者という弱い立場の人を一方的に害する行為は許されるものではないとの声が聞かれます。

 全くその通りだと思いますが、障害を持った人に対しては、もっと深い理解が必要だと考えます。
その深い理解とは、霊的な視点を踏まえるということです。
人間は、肉体と魂(霊)から成っており、知的障害者は、固有の人生修行の為に、肉体である脳の働きに障害があるものの、本来の魂そのものに障害はないという事実です。

 例えば、「人間は、唯物的な存在であり知的障害者はあくまでも意思疎通ができない存在」として接するというのと、反対に「肉体には障害があるものの魂は健全であり魂の部分では全ての状況を理解できている存在」として接するのでは、障害者ご本人の反応も、周囲でサポートする人間の対応も変わってくると聞きます。

 今回の事件の真相解明はこれからですが、こうした霊的な人生観が浸透していれば、防げた可能性があるのではないかと、残念でなりません。

 人権は尊重されなければならないという考え方の源泉には、「人間は神の子である」と言う宗教的な真理があります。
特定の宗教に限定する必要はないと考えますが、霊的な人生観に立った道徳教育が急務な時代となっていると確信するものです。