スイスで、全ての国民に毎月一定額を支給する「ベーシックインカム」制導入の是非を問う国民投票が行われ、大差で否決されました。
この制度は、年金や失業保険などを廃止する分かりに、収入に関係なく18歳未満には約7万円を、18歳以上には27万円余りを支給するものです(※)。
導入賛成派は貧困対策や格差是正に有効などとしていましたが、国民投票では、勤労意欲や生産性の低下、コストの増大に繋がるなどとして、7割以上の人が反対しました。
社会にはやむを得ない事情で働きたくても働けない人などがいるので、セイフティーネットとしての社会保障は必要です。
しかし、全ての人に一律に金をバラ撒くことは、社会の健全な発展を阻害するのではないでしょうか。
その意味で、今回のスイスでの国民投票の結果は、スイス人の意識が健全であることを示しているのかもしれません。
翻って日本を見てみると、ここ20年余り日本のGDPは横ばいで、先進国で唯一といっていいほど停滞が続いています。
その間に、財政赤字は積み上がり1000兆円を超えるようになりました。
財政赤字が積み上がってもGDPが増大していけば、意味のある投資だったと言えますが、実際はそうなっていません。
これは、長年の自民党政権が、政権を維持するためにバラマキを行ってきた結果とも言えます。
経済面で見るならば、日本はバラマキの結果、健全な発展が阻害されてきたのではないでしょうか。
※:6月6日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20160606/k10010547381000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_041