米共和党の大統領候補の座を争っているトランプ氏が、在日米軍の費用について、「(日本側の負担が)なぜ100%ではないのか」と疑問を呈しました(※)。
一般的に考えれば、在日米軍は、日本の防衛と共に、米国の安全保障にとってもメリットがあるから存在しているのですが、トランプ氏は、米軍駐留が米国の利益になっていないとの認識も示しています。
これらはトランプ氏一流のレトリックとも取れますが、日本の自主防衛について考えさせられるきっかけになると感じます。
日本は在日米軍の費用について「思いやり予算」などとして既に一部負担しているという事実を、トランプ氏がどの程度認識しているかは不明ですが、核の傘の提供などで米国は日本を守っているとの考えからすると、現在の日本の負担が相応なのか疑問を感じる米国民は少なからずいるのかもしれません。
ようやく施行が閣議決定された安保法制により、日米同盟の片務性が一部解消しましたが、米軍を極東地域に留め置くことは、現状では日本の安全保障にとっての要です。
もしも、米国による核の傘が無くなったら、今の日本がどうなるかよく考える必要があります。
よって、引き続き日米同盟を強固にしていくために尽力しなければならないと思いますし、同時に、米軍の退潮に備えて、自主防衛力を強化することも日本のもっとも重要な政策課題の一つではないでしょうか。
※:3月22日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/160322/wor1603220062-n1.html