3月
09

2016/03/10【李克強首相の汗の意味は?】

 中国の李克強首相の汗に注目が集まっています。
これは、5日に行われた全人代の開幕式で、李氏が2時間近くに渡って「政府活動報告」を読み上げた際、顔中に滝のような汗をかいているように見えたからです。
 

 体調不良との見方もありますが、極度の緊張下にあったのでは、というのが専らの見立てです。
こうし場には慣れているはずの李氏ですから、減速傾向が続く中国の経済状況の中で、事実上の経済政策の責任者として、その責任をとらされることを恐れていたのでしょうか。

 もし、これが事実なら、それだけ中国経済がうまくいっていないということになります。
経済政策の失敗は、習近平政権の屋台骨を揺るがしかねません。

 こうした内政がうまくいっていない時に取られる常套手段が、対外的な危機を作り出し、国民の目をそちらに向けさせることです。
昨年、日中首脳会談の実現などで、緊張が和らぐかに見えた日中関係ですが、今年に入ってから明らかに停滞しています。
中国の王毅外相は、日中の関係改善の流れを阻害している原因は、中国を敵視している日本側にあるとしています(※)。

 バブル経済のハードランディングも懸念されている中国ですが、経済政策の失敗を覆い隠せなくなったとき、対外的に軍事的緊張を高める恐れがあります。
日本としては備えを怠ってはならないと考えます。

※:3月8日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20160308/k10010435691000.html