国連安保理は、北朝鮮に対する制裁決議を全会一致で採択しました。
これは、北朝鮮による今年初めの核実験や弾道ミサイルの発射実験を受けたもので、今回の経済制裁はかつて無いほどの厳しい内容となっています。
ただし、制裁が実効あるものとなるには、北朝鮮の最大貿易相手国である中国が、どの程度本気で制裁を履行するかにかかっています。
実際、今回、採択された制裁にも、「北朝鮮国民の生活に影響を及ぼさない範囲で行われなければならない」旨の規定があり、これが抜け道に利用される懸念があります。
仮に、世界が本気で北朝鮮を経済的に締め上げたならば、北朝鮮の暴発や体制崩壊に繋がる可能性があることは事実です。
世界の多くの国々は、北朝鮮が民主国家に生まれ変わることを望んでいますが、中国にしてみれば、自身の一党独裁体制の維持と、日米と対峙するために最大限、北朝鮮を利用したい思惑があることは明白です。
ですから、今回の経済制裁決議に大きな期待をかけることはできません。
しかも、中国と北朝鮮は首脳部レベルでは不協和音も聞こえてきますが、北朝鮮に接する中国の軍区は、長年に渡って北朝鮮と深い関係があります。
中国の軍区は最近改編されることが決まったものの、軍部のレベルでは未だに裏で繋がっていることを想定しておくべきではないでしょうか。
日本としては、もちろん平和裏に北朝鮮の独裁体制を瓦解させ、世界最大の監獄と言われる北朝鮮から人々を解き放つ道を探るべきですが、軍事的な備えも怠ってはならないと考えます。