福島第一原発の事故で、当時、東電が意図的にメルトダウン(炉心溶融)の判定を遅らせていた疑いが出ています。
東電は、事故当時のマニュアルに従えば、事故発生から3日目の時点でメルトダウンが起きていると断定可能だったにもかかわらず、実際には、約2ヶ月後にメルトダウンを認めていました。
日本の原発でメルトダウンなど起きるはずがないという安全神話があった状況で、メルトダウンを認めたくないという当事者の気持ちが影響したのではないかと考えられますが、もしも、早い段階でメルトダウンを認めていたら、事故のパニックを助長したであろうことは想像に難くありません。
ですから、メルトダウンの公表が遅れたことは、パニックを防ぐ意味で結果的に肯定される側面があるかもしれませんが、東電に対する不信感は高まっており、国民感情的にも東電による早期の原発再稼動はますます難しい状況になっているのではないでしょうか。
しかし、重ねて申し上げます。
エネルギー自給率が5%に満たない日本にとって、原発は国民生活を守る上で必要なものです。
福島第一原発の事故そのものを教訓とすることは勿論ですが、更に事故後の対応もキチンと検証し教訓として生かすことで、安全が確認された原発の再稼動を滞りなく進めてもらいたいと考えます。
東電も、千年に一度とも言われる巨大地震だったにもかかわらず、あえて原子力損害賠償法の免責事由である「異常に巨大な天災地変」にあたらないと判断したのですから、腹を括り責任を持って再稼動の実現に努めて頂きたいと思います。