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2016/01/11【“正義”の観点で英国を諭すことも日本の役割ではないのか】

 日英の防衛相会談が行われ、安全保障分野での協力を進めることで合意しました(※)。
また、中国の海洋進出について、国際法に基づく平和的解決が必要との認識で一致した模様です。

 ただし、中国を安全保障に対する重大な脅威と認識する日本に対し、英国は経済分野で中国と結び付きを強めることで活路を見出そうとしているため、安全保障分野の対中国政策で英国がどの程度本気なのか見極めが必要かもしれません。

 一方で、今回の会談では、英軍の最新鋭戦闘機「タイフーン」を日本に派遣し、自衛隊との共同訓練の実施を検討することでも合意しました。
まさか、タイフーンが単機で来訪するはずはないと思うので、実現すればタイフーンの部隊規模での極東展開は初めてとなるのではないで
しょうか。

 自衛隊が導入を決めた米国製のステルス戦闘機F-35は第5世代戦闘機と言われ、自衛隊の現在の主力戦闘機F-15は第4世代戦闘機と言われます。
タイフーンは、第4.5世代戦闘機と呼ばれることのある最新の機体で、現代の作戦運用において決定的な要素の一つであるステルス性能は高くないものの、有視界の対戦闘機戦闘などにおいてはF-35を上回る性能を有しているとも言われています。

 自衛隊がF-35を選定するにあたって、タイフーンも候補としてあがり、生産においてブラックボックスが多いF-35に対して、技術開示が多く日本での生産を容認するタイフーンは、導入が実現すれば、日本の航空産業の発展にも寄与するとの期待が寄せられていました。

 結局、総合性能や日米同盟の観点などからF-35の導入で決定しましたが、タイフーンとの共同訓練が実現すれば、中国や北朝鮮への牽制となるだけでなく、戦術面や部隊運用上、日本側が学ぶことも多いのではないでしょうか。

 いずれにせよ日本は、「正義」の観点から中国とどう付き合うべきか英国を諭すべきだと思いますが、肝心の日本の現政権が中国の脅威に対し軟弱になってきていることがたいへん気になります。

※:1月10日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160110-OYT1T50011.html?from=ytop_ylist