中国は、パリの連続テロ事件をウイグル族に対する締めつけに利用していると中国政府を批判する記事を書いたフランス人の女性記者を、国外退去処分としました(※)。
中国のウイグル自治区は、以前、東トルキスタンと言う独立国家でした。
東トルキスタンを侵略した中国は、現在もウイグルの人々を厳しく弾圧しています。
こうした弾圧に耐えかねたウイグル族の中には自爆テロを起こす人もいますが、中国は国際的なテロ組織と同であるとして、中国政府に反発するウイグルの人々への弾圧を正当化しているのです。
従って、中国の弾圧に抵抗するウイグルの人々と、現在問題になっているイスラム過激派を、同一視すべきでは無いことがわかります。
こうした中で、ウイグル問題を懸念し続けてきた米国は、最近、追及のトーンが和らいでいるように見えます。経済や南シナ海の問題でこれ以上、中国との対立を深めたくないという思惑もあるようですが、対イスラム過激派で中国と連携を深めたいという思惑があるようにも映ります。
しかし、人道的に考えても、中国によるウイグル族への弾圧は、許してはならないものです。
弾圧されているウイグルの人々からすれば、中国こそテロ集団でありテロ国家に見えるのです。
対イスラム過激派で中国と連携を深めることも重要かもしれませんが、やはり「正義」の観点でから中国によるウイグル弾圧を止めさせるべきです。
今回、フランス人の女性記者を国外退去処分にしたということは、この記者の記事は事実であり、中国政府はこの問題に神経を尖らせていることが分かります。
国際社会は、中国こそが、イスラム過激派まがいの弾圧を行い、民族浄化政策を行っているということを、もっと知っておくべきではないでしょうか。
※:12月26日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20151226/k10010354201000.html