米国は、台湾に対し総額2,220億円にも上る各種の武器を売却することを決めました(※)。
米国による台湾への武器売却は約4年ぶりで、中国政府は猛反発しています。
しかし、売却する武器の内訳を見てみると、米国が中国に配慮していることが強く表れています。
例えば、目玉と言えるフリゲート艦2隻は、米海軍を退役する中古艦で、中国海軍を相手にした場合は一定の能力を発揮すると考えられるものの、とても最新とは言えない艦です。
また、台湾が強く求めていたF-16戦闘機の最新型の供与は今回も見送られため、中国と台湾の航空戦力の比較では、中国側有利へ傾きつつあるとの大方の見方です。
このように、米国が本気で台湾を防衛する意思があるのか疑念を持たれる内容です。
台湾の防衛は、日本のシーレーン防衛にとっても、死活的に重要です。
米国が台湾から手を引くのであれば、日本が台湾に対して武器を供与するなどの支援を検討すべきではないでしょうか。
実は、過去、日本でライセンス生産された戦闘機が余剰となった際に、台湾に供与されたことがあります。
正確には、米国が自衛隊に供与したF-104戦闘機が退役した際に、程度が良好な機体を、一旦、米国に返却した形を取って、台湾に再供与したのです。
自衛隊の整備保守能力の優秀さを表す事例の一つかもしれませんが、日本と台湾の間には、国共内戦以降も防衛面で繋がりがあったのです。
来年の台湾総統選挙では、親中派の与党国民党の候補が劣勢で、中国とは距離を置く野党民進党の候補が優勢と伝えられています。
民進党が政権を取れば、中国による台湾への締め付けが強まると予想されるので、日本がしっかりと台湾を支援する必要があります。
※:12月17日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20151217/k10010343701000.html