中国の労働コストが日本よりも高くなったとする記事が、12月6日付の日経新聞朝刊にありました。
労働コストとは単純に人件費だけではなく生産性も加味した指標のことで、このコストが高くなったことで世界の工場としての中国の地位に陰りが出てきたとのことです。
日本の製造業は、人件費の安さからこぞって工場を中国に移し、国内の産業の空洞化が叫ばれてきましたが、ここに来てより人件費の安い東南アジア諸国に工場を移す動きの一方で、国内に回帰する動きも出ています。
その国内回帰を後押ししているものに一つに、「インダストリー4.0」と呼ばれる技術があります。
「インダストリー4.0」は、IT技術や人工知能を活用することで、より付加価値の高い製品を生み出すと同時に生産性を飛躍的に向上させる動きのことです。
製造業が強い国は、国力も強いものです。
政府も、インダストリー4.0のような動きを後押しする方針ですが、こうしたものを活用して、航空宇宙の分野やロボットの分野、そして農業や水産業の分野などを、日本の未来の基幹産業に育てていく必要があります。
そして、製造業を中国に移したことで、日本の技術が流出してしまったことも教訓とすべきですし、中国は共産党の考え一つでいくらでも工場を没収できるリスクも踏まえて、国内で生産を行うことのメリットを再認識したいと思います。