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2015/11/22【心配される宗教への誤解】

 パリでの連続テロ事件から1週間余りが過ぎましたが、フランスをはじめ世界各地で犠牲者への追悼とテロへの警戒が続いています。
 

 こうした中、今回のイスラム過激派による犯行で、イスラム社会全体への偏見が助長されないか懸念されています。
11月13日のパリでのテロ事件の後の18日、パリの近郊で犯人たちの潜伏先を警察などが急襲した際に、主犯格の男と共に死亡した女について、「宗教に無縁の若者が突然変わった」とする報道がありました。
 

 ここで、誤解してはならないのは、「イスラム教を深く信仰することが、イスラム過激思想ではない」ということです。
とりわけ普段から宗教についての理解が十分とは言えない日本では、今回のテロ事件で、イスラム教全体に対するマイナスイメージを持つようなことにならないか心配です。

 実際は、敬けんなイスラム教徒であっても信者は穏健で平和的であるように、イスラム教=過激思想ではありません。
そして、本来、信仰とは、この世的な様々な苦しみから解放され、多くの人々に調和の心や生きる希望を与えるものです。

 近代民主主義の根幹の一つである人権もは、「全ての人間は神の子である」という宗教的な考え方がもとになっています。
神仏を信じることが、自由を尊重する今の民主主義と矛盾するわけではないのです。