来年行われる米大統領選挙の共和党の有力候補に、不動産王として知られるドナルド・トランプ氏がいます。
トランプ氏は、歯に衣着せぬ発言を繰り返し何かと物議を醸しています。
そのトランプ氏は、今回、日米安保条約について言及し、「日本が攻撃を受けたら我々は即座に助けに行かなければならないが、米国が攻撃されても日本は我々を助ける必要はない」ということに関し不公平であるという認識を示しました(※)。
これは、日米同盟についていわゆる片務性について述べたもので、日米安保条約が片務条約になっていることを知らない米国民は多いのではないでしょうか。
ですから、良くも悪くも注目されているトランプ氏が、こうした発言を繰り返せば、米国民の間に日米同盟について不公平感が高まる恐れがあります。
核兵器を保有するなど米国に次ぐ世界第二位の軍事大国になった中国を考えた場合、日本の安全保障の要は日米同盟であることに変わりがありません。
ですから、日本としては米国をしっかり繋ぎ止めておく必要があります。
その意味で、現在審議中の安全保障法制は、限定はありますが、米国への攻撃を日本への攻撃とみなして集団的自衛権を行使できるようになるので、米国の日本への信頼は高まります。
戦後の日本の平和を守ってきたのは、憲法9条ではなく、自衛隊や日米安保であるという事実を踏まえれば、今後も平和を守るために日米同盟を強化する必要があります。
※:8月26日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20150826-OYT1T50093.html?from=ytop_ylist