安倍首相が戦後70年談話を発表するにあたり参考とするために設けた有識者懇談会が、安倍首相に報告書を提出しました(※)。
報告書の中で、「日本は大陸への侵略を拡大した」、「日本は植民地支配を過酷化した」、「国策として日本がアジア解放のために戦ったと主張することは正確ではない」などとする内容が含まれています。
以前から、そうした主張があることは承知していますが、日本の大陸進出は安全保障上の観点があったことも事実ですし、日本による朝鮮半島や台湾の統治も欧米列強による植民地支配とは明らかに異なりますし、また、日本が掲げた八紘一宇の精神はアジア解放そのものではないでしょうか。ですから、今回の報告書の内容には違和感を覚える人も多いはずです。
更に、仮に戦前戦中の日本の行いが侵略や植民地支配であったとしても、長年に渡る欧米列強によるアジアやアフリカの植民地支配や侵略は、それぞれの国において、あるいは国際社会において、どのように総括されているのでしょうか。
現在に至るまで当時の欧米列強は、長年に渡って謝罪を繰り返すなどということはしていません。
日本は敗戦国であったにせよ、日本だけが責められ謝罪を求められる状況にも違和感を覚えます。
安倍首相は、今回の報告書をもとに戦後70年談話の内容を検討すると見られていますが、結局、自虐史観に基づく河野・村山談話を踏襲するのであれば、談話を発表する必要性そのものに疑問を感じざるを得ません。
※:8月6日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20150806/k10010180571000.html