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2015/08/04【国益の観点から考えるという姿勢】

 感染力が強く致死率も高い感染症の病原体を取り扱うことのできる施設が、日本でもようやく稼働に向けて動き出しました(※)。
 

 この施設は東京都の武蔵村山市にあり、エボラ出血熱など危険度の高い病原体を扱うことを目的にしていましたが、周辺住民の反対で当初の目的通りの病原体を扱うことができない状態が続いていました。
 

 確かに、近隣に危険度の高い病原体を扱う施設があることに漠然とした不安を感じる住民の皆さんの気持ちも理解できない訳ではありませんが、今回の問題は、原発や核のゴミの処分場の建設の問題、それに基地問題に通じるものがあるようにも思います。
 

 こうした必要悪とも言われる施設の建設には、住民の理解が重要ですが、施設が設置される一地方自治体の反対で、国益全体が損なわれることもあるので、政府として大局的な判断を下さなければならない場合もあるのではないでしょうか。

 もちろん、住民の理解を得るために最大限の努力を行う必要がありますが、沖縄県の翁長知事のように辺野古地区への基地移設を強硬に反対することで、沖縄県のみならず日本全体、そして東アジアの安全保障を危機に陥れることは問題です。

 自治体も住民の不安を煽るのではなく、国益の観点から適切な行動を取るべきですし、政府には住民の理解を得る卓越した政治力が求められます

※:8月3日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20150803/k10010176501000.html