7月7日、鹿児島県の川内原発1号機に核燃料が挿入され、早ければ8月中の再稼働に向けて作業が最終段階に入りました(※)。
「福島第一原発事故後の厳しい安全基準をクリアしたのだから再稼動は妥当」との声がある一方で、「現に原発が稼動していなくても電力供給ができているのだから再稼動の必要はない」との声もあります。
ここで、本当に再稼動の必要はないのでしょうか。
確かに、現在の日本の電力供給は必要な量が確保されています。
しかし、その供給量の約9割は火力発電によるものです。
化石燃料に乏しい日本は、現在の電力供給を維持するためには、今後も海外から石油や天然ガスが安定的に輸入されることが前提となっていますが、紛争や自然災害などで化石燃料が長期間にわたって十分に確保できなくなる事態が起こり得るということを理解しておくべきではないでしょうか。
また、世界では温暖化が問題となっており、干ばつ被害や海面上昇などにより途上国を中心に深刻な危機に見舞われています。
その中で、日本の電力供給方法は一つの矛盾が生じていることになります。
それは、温暖化の結果としてCO2濃度が上昇しているとする専門家の意見が正当であるとした場合、仮にCO2濃度の上昇の結果として温暖化が加速されているとすると、日本は深刻化する温暖化への影響を顧みずに化石燃料への依存を高めていることになります。
更に、世界では福島第一原発事故後も、発展途上国を中心に原発に対する需要は根強く、中露韓などが輸出の柱の一つとして位置付けています。
原発の技術力は日本が世界トップにあることは間違いありませんが、日本が原発から撤退するようなことになれば、中国製の原発が市場を席巻するとの見方もあります。
やはり、日本には福島第一原発事故教訓に世界一安全な原発を作って世界に供給する責務があると考えます。
幸福の科学グループ創始者大川隆法総裁は、7月7日の講演で「国力相応の利他の行為」に言及されました。
私は、このように原発に関しても、再稼動せずに化石燃料に依存することや、原発から撤退することは、「国力相応の利他の行為」からは程遠いと言わざるを得ないのではないかと考えます。
※:7月7日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/science/20150707-OYT1T50157.html