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2015/05/29【FIFAへの捜査はロシアへの圧力か?】

 安全保障関連法案をめぐり国会では論戦が繰り広げられ、野党側は同法案への批判を強めており、共産党は「究極の米国追従」などとしています。
 

 確かに、同法案への米国側の期待感は強く、後方支援など米軍が担ってきた役割の一端を日本にも担ってもらいたいという思惑が感じられます。
 

 一方で安倍首相は、米国側の懸念を他所に、ロシアのプーチン大統領との友好関係を維持する姿勢を見せています。
米国は、ウクライナ情勢をめぐって、中国以上にロシアを警戒しており、ロシアに対して引き続き圧力をかけていく考えです。
このほど、米国の捜査機関が国際サッカー連盟(FIFA)の汚職を摘発し、2018年にロシアで開催されるワールドカップの招致をめぐっても不正があったとする疑惑が持たれていますが、プーチン大統領はこれも米国によるロシアへの圧力の一環である可能性を示しています(※)。

 このようにロシアと欧米の対立は泥仕合の様相を呈していますが、ロシアとの関係は、米国の姿勢とは一線を画して、良好な状態を維持しなければなりません。さもなければ、中露対日米という構図が出来上がり、新たな冷戦が始まってしまいます。

 日本国内でも、ロシアの姿勢に対しては批判的な見方もありますが、ロシアは対中国を考えるにあたって日本にとっての重要なパートナーであるという認識を持たなければならないと考えます。

※:5月28日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/150528/wor1505280053-n1.html