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2015/04/03【中国は日本への渡航をいつでも制限できる】

 安倍首相は参議院予算委員会で、外国人観光客の受け入れ体制の充実に取り組んでいく考えを示しました(※1)。
政府は、近年、外国人観光客を増やすことに力を入れており、2013年にはその数が初めて1000万人を突破しました。

 テレビ番組などで、欧米から来日した観光客の様子をよく目にしますが、実は、来日客の多くは、台湾、中国、韓国などアジアの国々からの観光客です。
日本政府観光局が発表した2015年1月と2月の訪日外客数は、総数が260万人余りで、その内、香港を含む中国からが約30%と最大で、韓国の約26%、台湾の約19%と続きます(※2)。

 最近では、中国人観光客による「爆買い」が話題になっていますが、来日観光客の増加が日本経済に寄与することは間違いなく、その意味で政府が外国人観光客の誘致に力を入れることは理解できます。

 しかし、中国人観光客に過度に依存する産業構造には注意が必要です。
最近の中国人観光客の急激な増加は、中国の国策、つまり政治的な意図も感じられます。
報道の自由が無い一党独裁国家である中国は、政府の号令一下、自国民の日本への渡航を容易に制限することができます。

 つまり、観光客の増減で日本政府に揺さぶりを掛けることができるのです。
もしそうなると、日本国内からも中国に阿る声が上がり、中国に妥協することに繋がりかねません。まさに隷属への道です。

 外国人観光客の誘致に力を入れることは日本にとって有益ですが、中国は政治的な意図を持って、いつでも自国民の訪日を制限できるということを忘れてはなりません。

※1:4月1日NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20150401/k10010035171000.html
※2:日本政府観光局HP 国籍/月別 訪日外客数(2003年~2015年)http://www.jnto.go.jp/jpn/reference/tourism_data/visitor_trends/pdf/2013_15_tourists.pdf