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2015/03/21【政治家に問われる覚悟】

 安倍首相が進める一連の安全保障関連の法整備について、自公両党はその方向性についてようやく合意しました(※)。
 

 政府は、戦争状態とは言えない一方で平和な状態とも言えない、いわゆるグレーゾーン事態など5つの分野で法整備を目指すとのことですが、今回の両党の合意の中で公明党は「国際法上の正当性」「国民の理解と民主的統制」「自衛隊員の安全確保」の3原則を法整備の前提として求めました。

 これら3つの前提にはそれぞれ疑問点はありますが、3つ目の「自衛隊員の安全確保」については、強調しすぎると本来の国民を守る任務を果たせなくなる恐れがあります。
そもそも、自衛隊員の安全確保は、総理大臣をはじめ指揮官が言うまでもなく大前提とすべきことです。
それをあえて強調するということは、危険を伴う任務に自衛隊員を赴かせないということになり、何のための自衛隊かわからなくなります。

 自衛隊員の命を軽んじる指揮官は言語道断ですが、自衛隊員の皆さんは、いざという時には危険を顧みずに任務を遂行するという気概を持って下さっています。
ですから大切なのは、政治家が如何に大義を持って判断を下すかということではないでしょうか。

 今回の安全保障関連の法整備の内容は、責任ある独立国家としてはまだまだ不十分かもしませんが、従来の日本の立場からは一歩前進と言えるものです。
遅滞なく法整備を進めて頂きたい考えます。

※:3月20日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150320-OYT1T50108.html