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2015/03/10【宗教が尊敬されない国は人権が弾圧される】

 ドイツのメルケル首相が来日し、安倍首相と会談しました。
メルケル首相の来日は7年ぶりとなる3回目で、就任以来7回訪れた中国と比べ、日独関係は疎遠とも言われる状態でしたが、今回の訪日でどこまで関係の深化を図れるかが注目となっています。
 

 メルケル首相は、キリスト教民主同盟という宗教政党の党首でもあります。
世界では、宗教団体が政治に関わることはタブーではありません。
むしろ、多くの人々の幸福を目指すという点で、宗教と政治は重なるものであり、政治は宗教が目指す目標をこの世的に実現する手段とも言えるのです。

 近代民主主義の重要な価値観の一つである基本的人権をなぜ尊重しなければならないかというと、「人間は神の子である」という宗教的な価値観を前提としているからであり、世界では政治と宗教は切り離せないのです。

 一方、日本では、宗教への偏見が少なからずあますし、憲法に政教分離が既定されていることから、宗教は政治に参加してはならないという誤解があります。
そのため、連立与党の一角である公明党は、宗教色を表に出していません。

 しかし、実際は、憲法の政教分離は、戦前戦中の国家神道の反省から、「政府が特定の宗教と組んで、他の宗教を弾圧してはならない」ということであり、宗教団体が政治的活動をすることをも排除している趣旨ではなのです。
これは、内閣法制局の見解でもあります。

 最近では、イスラムに対する誤解により、宗教の政治参加に対する誤解も増えているように思われます。
ですが、宗教が尊敬されない国は、一時的に繁栄しているように見えても、必ず人権が弾圧されて国民が苦しむようになります。
日本でも宗教が尊敬されるよう私たちも一層努力して行きたいと思います。

※:3月9日付産経新聞http://www.sankei.com/politics/news/150309/plt1503090019-n1.html