自衛隊の次期戦闘機としても導入予定の「F-35」に関する膨大な機密情報が中国のサイバースパイに盗み取られたとの報道がありました(※)。
F-35は米国が中心となって開発しているステルス戦闘機で、今後、欧米を中心とした陣営の標準戦闘機になるとも言える重要な機体です。このF-35に関しては、以前から中国に機密情報が漏れているとの指摘がありました。
今回の報道では、盗まれた情報にレーダー装置の詳細、エンジンの配線図、敵から探知されるのを避けるためのジェット排気煙の冷却方法などが含まれているとのことです。
現代の戦闘機は様々な要素技術から成り立っており、その全ての技術情報が漏えいしたわけではなさそうですが、例えばレーダー装置は戦闘機の根幹を成す要素ですから問題は深刻です。
中国が入手した情報をもとに同等の装置を作成する技術力があるかわかりませんが、今後、中国がF-35に匹敵する戦闘機を開発する可能性がありますし、F-35の弱点を見抜かれる可能性もないわけではありません。
また、情報が中国に漏えいした以上、その情報がロシアに渡る可能性があることも覚悟しておく必要があります。
F-35は開発途上であり、配備後も適宜アップデートされていきますから、F-35がすぐに陳腐化する恐れは少ないと思いますが、日本もF-35を凌駕する独自の戦闘機の開発を急ぐべきではないでしょうか。
今年は、国産戦闘機に繋がる「先進技術実証機」の初飛行が予定されているので、その動向に注目したいと思います。
※:1月19日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/150119/wor1501190018-n1.html