従軍慰安婦問題に関する朝日新聞の誤報について検証した第三者委員会の報告書が公開されました。
報告書では、報道機関としての朝日新聞社の姿勢を批判する内容となっています。
ただ、この件は一新聞社の問題に留まらず、日本の国家全体の国際的なイメージの低下に繋がり、国益を大きく損ねたことも問題です。
報告書では、「第三国から見れば、韓国メディアが日本を批判し、日本の有力メディアが同調すれば、日本が間違っていると思うのも無理はない」(※1)としていますが、旧日本軍が強制的に慰安婦を連行したという誤ったイメージは国際社会で定着しつつあります。
報告書を受けて、朝日新聞社の渡部社長は、「内容を真摯に受け止め、改めるべき点は誠実に実行してまいります」としています(※2)。
しかし、朝日新聞は、「女性の意に反して慰安婦にされる強制性があった」というスタンスを崩していません。
確かに、本人の意に反して慰安婦になった女性もいたことは事実ですが、強制的に連行したのは韓国人を主体とする民間業者であったことが分かっていますし、米政府の戦争犯罪にかかわる文書約14万2千ページの中に、日本軍慰安婦の奴隷化などの証拠は見つかっていません。
女性の尊厳という意味では、強制連行したのが軍か民間業者か区別することは意味がないのかもしれませんが、我が国の尊厳という意味では、旧日本軍が組織的に連行したか否かということは大きな問題です。
旧日本軍には従軍慰安婦なる制度はありませんでした。
朝日新聞は、今回の報告書を真摯に受け止めるというのであれば、「“従軍”慰安婦問題」を単なる「慰安婦問題」として曖昧にするのではなく、旧日本軍による組織的な強制性が無かったという事実をしっかりと報道すべきではないでしょうか。
※1:12月22日付産経新聞http://www.sankei.com/politics/news/141222/plt1412220019-n3.html
※2:同朝日新聞http://www.asahi.com/articles/ASGDQ5TP1GDQUEHF00C.html?iref=comtop_6_03