日本列島を通過中の発達した低気圧の影響で、北海道を中心に停電が相次いでおり、電力の安定供給の重要性が再認識されています。
今回の停電は強風や積雪が原因と考えられますが、冬場の停電は、経済活動に及ぼす影響とともに、命に係わるため注意が必要です。
現在、国内で運転中の原発は1基も無い状態が続いており、原発の再稼動に反対する人の中には、「現に原発が無くても問題が無い」旨を主張する人もいます。
しかし、実情は、老朽化した設備を含め火力発電設備を総動員して需要を賄っている状態です。
日本国内で火力発電を行うには、化石燃料を継続的に海外から輸入しなければなりません。
化石燃料の備蓄には限りがあるため、産油地域や原油輸送ルート上で政情不安があれば、たちどころに日本は危機に立たされます。
また、最近の原油安も、台頭するシェールオイルが他の採掘方法に比べて高コストであるため、OPECなどが中心となってシェールオイルを駆逐するためにあえて減産しないことも要因となっています。
従って、今般の原油安は、中長期的に続く保証はないので、火力発電を推進する材料にはなり得ません。
更に、再生可能エネルギーによる発電量では、到底、原発や火力発電を賄うことはできませんし、太陽光や風力による発電に至っては気象条件などに左右されるため安定電源とは言えません。
安定電源のありがたみは、ことが起こってから身に染みて分かるものではないでしょうか。
ですから、どのような悪天候下でも安定的に発電できる原発は、日本にとって必須とも言えるものです。
今回、原子力規制委員会は、関西電力高浜原発の再稼働の前提となる審査に事実上合格したことを示す審査書の案を全会一致で取りまとめました(※)。
これは、九州電力川内原発に次いで2ヶ所目となります。
これを機に、日本のエネルギー安全保障のためにも、安全が確認された原発は政府の責任で遅滞なく再稼働させるべきと考えます。
※:12月17日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20141217/k10014041611000.html