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2014/09/18【円安を喜んでいいのか】

円相場が6年ぶりに108円台の円安となりました。これを受けて、輸出関連を中心に株価が上昇し、年初以来の1万6千円台を回復しました。

 
確かに円安になれば海外での価格競争力が上がるため輸出が有利になりますが、一方で、原材料の輸入コストが上昇するため弊害も大きくなります。

財務省が発表した8月の貿易収支は9,485億円の赤字と、26カ月連続の赤字となっています(※1)。

 
原発が停止している中での電力需要は、今夏は昨年ほどの猛暑にはならなかったため何とか乗り切りましたが、原発が停止したまま円安が続けば化石燃料の調達コストが一段と上昇し、電力料金の更なる値上げも必至となります。

 
原発の停止による化石燃料の調達コストの増分は、2013年で既に3兆8000万円と言われており、消費税1%の増税で2兆円の国民負担になることを考えると、この数字が如何に大きいかがわかります。

 
海外からものを買うことでその対価を得て豊かになるのであれば問題ありませんが、現在の日本は本来、原発が稼働していれば払わなくてもいい余計な支出をしている訳であり、貴重な国富が流出している状態です。

 
従って、安全が確認された原発は、順次速やかに再稼働させるべきではないでしょうか。

同時に、今回、政府は、既存の原発に比べて安全性や経済性に優れるとされる「高温ガス炉」の研究用原子炉の再稼動の必要性に言及しました(※2)が、こうした次世代の原子炉の開発も着実に行っていく必要があると考えます。

 
※1:9月18日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/economy/20140918-OYT1T50030.html
※2:同NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20140918/k10014692351000.html