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2014/09/13【日本の役割の変化】

 オーストラリア軍が日本製の潜水艦の導入を検討していると以前このブログでもお伝えしましたが、オーストラリア国内では自国産業の保護のため、国内で製造すべきとの声も根強いようです(※)。

 オーストラリアは、一線級の潜水艦を建造できる数少ない国の一つですが、実は就役中の国産潜水艦への評価は高くありません。
潜水艦の開発は非常に高い技術力を要し、今後、21世紀前半に渡り必要な能力を発揮し続けることが可能な潜水艦を建造することは簡単ではありません。

 一方で日本は、太平洋戦争当時、世界最大の潜水艦である「伊400型」を建造するなど、長年にわたって高い技術力を蓄積しています。
オーストラリアが導入を検討している「そうりゅう級」は、外洋で長期に渡って行動が可能な非原子力推進の高性能な潜水艦としては世界でも比肩するものがありません。

 そうりゅう級の輸出は、武器輸出三原則緩和後の目玉案件の一つですが、日本国内の防衛産業の発展を期するとともに、武器輸出三原則緩和に至った国際情勢の変化を物語っています。
現在、中国は急速に軍備の増強と近代化を進めており、オーストラリア近海にも進出するようになりました。
周辺各国は力を背景とした中国の海洋進出に危機感を強めており、そうした国々の期待に応えて平和を守るためにも、日本が必要な役割を果たさなければならない時期にきているのです。

 日豪両政府には賢明な判断をして頂きたいと思います。

※:9月10日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/140910/asi14091023590001-n1.htm