過日発表された平成26年度版の防衛白書では、中国軍の動向について、東シナ海など海空域で活動を急速に活発化させ、高圧的に現状変更を試みているとして、その脅威が拡大していることを指摘しています。
中国軍の実際の行動を踏まえれば、こうした指摘は至極当然で、防衛白書の中の表現はむしろ抑制的とも言えるものです。
しかし、中国政府は今回の防衛白書について、中国軍の脅威を意図に誇張しているとして日本を批判しています。
実際には、尖閣諸島周辺などで中国の公船が領海侵犯を繰り返していますし、日本の領空に接近する中国軍機に対する自衛隊によるスクランブル件数も急速に増加しています。その上、中国軍のフリゲート艦が公海上で自衛隊の護衛艦に対し、攻撃実施と同意に捉えられるレーダーロックオンを行っていますし、中国軍戦闘機による自衛隊の情報収集機への異常接近事案も複数発生しています。このように中国の脅威は誰が見ても明らかです。
南シナ海でのベトナムやフィリピンに対する行動も同様ですが、中国は自ら緊張を作り出す行動をしておきながら、常に「やられているのは自分たちのほうだ」との見解を発表しています。
こうした自分たちで仕掛けておきながら、相手のせいにする姿勢は、以前、問題となったオウム教団と似たものを感じるのは私だけでしょうか。