内戦状態のウクライナ東部で、マレーシア航空の旅客機が撃墜され、乗員乗客298人全員が死亡した模様です。亡くなられた方々には心からご冥福をお祈りいたします。
国際社会は、ウクライナ政府に敵対する親ロシア派の武装勢力による犯行との見方を強めており、親ロシア派の背後にいるとされるロシアへの批判が強まっています。確かにウクライナ政府や欧米からの情報では、ロシアの支援を受けた親ロシア派による犯行が強く疑われます。
これに対しロシアは、全ての責任は当事国政府にあるとし、戦闘地域上空の民間機の飛行を許可したウクライナにこそ責任があるとしています。
ロシア側の主張の根拠は次の通りです。
撃墜に使用されたのは射程が高度2万メートル以上まで届くSA-11と言われるミサイルシステムで、ウクライナ政府は親ロシア派がこのSA-11を入手していたことを把握していた模様です。自国も装備しているSA-11の性能を当然ウクライナ政府も把握していたはずですが、ウクライナ政府による民間航空機の飛行禁止の指示は、なぜか高度約1万メートル以下にしか出していませんでした。
マレーシア航空機は、飛行禁止空域を上回る高度を飛行していたとされますが、ウクライナ政府の飛行禁止指示が甘かったことは否めないというものです。今回の事件以前にも軍用機2機が対空ミサイルによると思われる攻撃で撃墜されている空域に、民間航空機を飛行させたという点で、そもそもの安全管理に問題があったという見方です。
以上、双方の主張が平行線のままで進んでいますが、やはり、いかなる理由があったとしても民間航空機を撃墜する行為は許されるものではありません。これからの進展を見守って参りたいと思います。