先日、「北朝鮮強制収容所に生まれて」という映画を観ました。
以前、「クロッシング」という北朝鮮強制収容所の様子を描いた映画を観た時は、その悲惨な現実に涙が止まらなかったのですが、上記の映画は、インタビューの収録という、「現実」を映した映画でした。
そこには感情がない生活の中、肉親の死も、いや、処刑をも目の前を流れ去っていく光景にしか見えなくなっていく、人間が機械のようになっていく、無神論・唯物論の世界でした。
これこそが、洗脳によって良心が潰された人間が生み出されている本当の地獄です。
政府は、北朝鮮が拉致被害者を含む全ての行方不明者の調査を行うことで日朝が合意したと発表しました(※)。
経済の低迷、後ろ盾である中国との関係の変化など北朝鮮が抱える様々な問題が、北朝鮮を今回の合意に踏み切らせたものと考えられますが、拉致被害者とその家族の心情を思うと、今回の合意が一日も早い拉致問題の解決に繋がることを期待したいと思います。
一方で、北朝鮮による日本に対する脅威は依然として去っていません。
北朝鮮は、核兵器とその運搬手段である弾道ミサイルを戦略的な切り札と位置付けており、今後、日朝交渉が進展したとしても、北朝鮮が核兵器と弾道ミサイルを手放すなどということは考えにくい状況です。
日本としては、引き続き北朝鮮の核ミサイルを想定した防衛力を整える必要があります。
集団的自衛権の行使容認は、北朝鮮との交渉にあたって日本の立場を強めることに繋がると考えます。
連立与党である公明党は議論を先送りしたい意向のようですが、日本を取り巻く情勢を踏まえれば、行使容認は喫緊の課題です。
同時に、朝鮮半島有事も依然として可能性がゼロではありません。
その際の米軍支援や邦人救出などのための必要な法整備も急ぐ必要があります。
※:5月29日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140529-OYT1T50159.html?from=ytop_top