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2014/05/24【様々なる備えとしての機動戦闘車】

陸海空の3自衛隊が連携して行う国内初の離島奪還演習が、鹿児島県の奄美で行われました(※)。

現在の日本では島嶼防衛の重要性が高まってきており、自衛隊でも「AAV7」と呼ばれる水陸両用車両の導入が話題となっています。

このAAV7と並んで、島嶼防衛における部隊の機動的な運用で重要な役割を担う装備として、現在、自衛隊が開発中の「機動戦闘車」という車両があります。

この機動戦闘車は、分かりやすく言えば戦車にタイヤが付いた車両といえばイメージしやすいかと思います。

機動戦闘車は、火力、防御力、不整地での走破力などで戦車に劣りますが、比較的軽量という特性を生かし、必要とされる場所への展開力に富みます。

日本離島センターのHPによれば日本には300以上もの有人島がありますが、その全てに防衛力を配備することは困難です。

従って、万一、離島が侵攻された際に、如何に迅速に兵力を展開できるかが重要となります。

その際、重い戦車を多数移動させることは容易でないため、機動戦闘車のような車両であれば、輸送機などにより戦車よりも容易に兵力を展開できるのです。

こうした点は、侵攻側にも言えることで、敵も戦車のような重装備を多数揚陸させることは困難であるため、侵攻当初は戦車よりも火力や防御力で劣る車両が侵攻の中心になると考えられます。

従って、離島防衛や離島奪還において機動戦闘車のような車両で対抗することは、戦車の配備と同様に重要となるのです。

昨年発表された中期防衛力整備計画によれば、この機動戦闘車を平成30年度までに99両配備する予定です。

防衛力を高めることは日本にとって喫緊の課題ですので、こうした計画を滞りなく実現してもらいたいと考えます。

※:5月23日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140523/plc14052313530025-n1.htm