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2014/03/02【重要な示唆を与えるウクライナ情勢】

ウクライナ情勢が転換点を迎えています。

親EU路線を掲げる野党勢力が、ロシア寄りの政権を転覆させましたが、ロシアはウクライナへの軍事介入を辞さない姿勢を示しています(※)。

ウクライナはもともと旧ソ連を構成していましたが、ソ連崩壊による独立後も、多数のロシア軍が駐留していす。

特に南部のクリミア半島では、ロシア有数の規模を誇る黒海艦隊の基地があり、軍事的な要衝であるとともに、同半島ではロシア系住民が多数を占めます。

また、あまり知られていませんがウクライナは軍事産業が盛んで、世界最大の輸送機を開発したアントノフ社や、中国初の空母「遼寧」のベースとなった「ワリャーグ」を建造した造船所などがあります。

このように、ウクライナはロシアにとっても死活的に重要な隣国と言えますが、米国やEUは、強硬な姿勢を強めるロシアを非難しています。

自由を求めるウクライナ国民の意思は尊重すべきですが、一方で、ウクライナの暫定政権も、合法的に選ばれた大統領を排除した非合法政権ともいるものです。

ウクライナの将来はウクライナ国民が決めるべきですが、ウクライナは難しい局面を迎えています。

こうした局面では、本来であれば国連の役割が重要なはずですが、パン事務総長に多くは期待できませんし、何よりもロシアが常任理事国であるため、安保理が結束して事態の収拾にあたることは困難です。

ロシアの軍事介入の建前は自国民の保護ということですし、ここでも国連が機能不全に陥ることは想像に難くないので、日本も国防を考える上でウクライナ情勢は重要な示唆を与えているのではないでしょうか。

3月2日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20140301-OYT1T00816.htm