米軍の高官が、中国軍が沖縄県の尖閣諸島や琉球諸島南部の島嶼群の奪取を想定した訓練を行っているとの見方を示しました(※1)。
「琉球諸島南部の島嶼群」が具体的にどこを示すのか明確になっていませんが、中国軍による軍事侵攻の脅威がますます高まっていると言えます。
従って、島嶼部の防衛力向上や、奪われた離島を奪還する能力の取得は、日本にとって喫緊の課題です。
政府は、離島防衛を目的に自衛隊に海兵隊機能を持った新たな部隊の創設を準備していますが、今回、その部隊の主要装備の一つとなるであろう米国製の水陸両用車4両が日本に陸揚げされました(※2)。
この水陸両用車は「AAV7」(水陸両用強襲車)と呼ばれていますが、私の世代には「LVTP7」の呼称のほうが、馴染みがあるかもしれません。
AAV7は米海兵隊の代名詞とも言える車両で、沖合の輸送艦艇から兵員を載せて発進し、海上を航行して砂浜などから上陸し、そのまま装甲車同様に陸上を移動することができます。
自衛隊で使用する車両は、発足当初は米軍からの供与を受けたものの、現在ではミサイル発射装置など一部を除いて、国内で開発製造をしたものを運用しています。
今回のAAV7は自衛隊にとって初めてとも言える車種であり、日本を取り巻く事態が逼迫していることから、米国からの購入となりました。
今後、早急に、自衛隊の海兵部隊の戦力化を図る必要があります。
また、AAV7は基本設計が40年以上前であり、いくつかの改善点があるようです。
今後は、AAV7の後継車両を国内で開発生産することを早急に検討すべきではないでしょうか。
※1:2月20日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/140220/amr14022019260005-n1.htm
※2:2月20日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20140220/k10015402101000.html