妊娠したまま脳死状態になった女性をめぐって、米国内で論争が起こっています。
脳死を宣告された状態で妊娠23週目となっていた女性について、家族は生命維持装置を外すよう求めていたものの、病院側は胎児の命を守るために装置を外すことを拒んでいましたが、その後、裁判所の判断に従い装置が外されました(※)。
この問題で、最初に考えておかなければならないことがあります。
それは、「脳死は人の死ではない」ということです。
今回のケースでは例え胎児を出産しても胎児が助かることはほとんどないとのことですが、脳死を人の死とすると、もしも胎児が生まれていれば、死体の中で胎児が成長し、死体が出産したことになってしまいます。
脳死をめぐっては、医学的に植物状態に陥っても、周囲に対する認識力を持っている患者がいる可能性があることが報告されています。
こうしたことからも、人の死を考える上で、肉体と霊魂の関係を無視するわけにはいかないことが分かります。
肉体と霊魂の関係を考察することこそ、真に科学的な態度でもあるのではないでしょうか。
脳死を認めることによって移植医療を推進したい意見がることは分かりますが、十分な霊的な知識がないと、死体とされた魂はたいへんな苦しみにさらされることになります。
先に、日本の女性科学者が新たな万能細胞であるSTAP細胞の研究を発表し世界中を驚かせましたが、やはり、他人の臓器の移植に頼るよりも、再生医療の進展を促し確立することが倫理的にも正しい方向ではないでしょうか。
※:1月27日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/140127/amr14012711440005-n1.htm