脱原発の問題点について、別の視点から考えてみます。
福島第一原発の事故以降、欧州の一部の国は脱原発に舵を切りましたが、日本の周辺諸国にはそのような動きはありません。
中国は、今後50基以上の原発を新設する計画ですし、韓国は外貨獲得の手段として原発の輸出に力を入れています。
また、北朝鮮も国際社会が憂慮する中で兵器開発と密接に関わった原発を稼働させています。
兵器開発に関連しては、中国は今後も、弾道ミサイルなどに搭載するための核弾頭の数を増やしていくものと考えられますし、韓国では、原子力推進艦艇の導入も取り沙汰されています。
このように、日本周辺諸国の多くは原発を経済的にも軍事的にも重要なエネルギー源と考えており、これらの国々は今後も原子力関連技術を高めていくものと思われます。
そんな中で日本だけが脱原発という選択をした場合、現在、世界最高水準にある日本の原子力関連技術力は相対的に低下していき、日本の経済面だけでなく安全保障上も懸念が生じてしまいます。
その意味で、中韓は腹の底では日本の脱原発を望んでいるはずです。
日本の脱原発は、ドイツやイタリアなどの脱原発とは状況が異なります。
日本の政治家は、こうした点も考えて日本のエネルギー政策を考える必要があるのです。