12月
19

2013/12/19【欧米のダブルスタンダード!?】

来月にロシアで開催されるソチオリンピックの開会式に、米国のオバマ大統領夫妻は参加しないとの発表がありました(※)。

プーチン政権の人権政策に対する抗議の意図があるとみられており、同様の意図により既に独仏などの首脳も開会式への不参加を決めています。

一方で、中国では現在もチベットやウイグルなどで過酷な人権弾圧政策を続けていますが、北京オリンピックの際には欧米の首脳たちがこぞって開会式に参加していました。

人権問題に敏感な欧米諸国ですが、中国とロシアの力の差を背景とした明らかなダブルスタンダードと言えます。

実際、昨年、英国のキャメロン首相はチベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世と会談しましたが、中国政府はこれを批判し、その後に英国企業が中国市場から締め出しをくらいました。

これに懲りたキャメロン首相は、今月の訪中では、習近平主席との会談で中国の人権問題にはほとんど触れないばかりか、ダライ・ラマ14世とは今後面会しないことを約束し習氏のご機嫌をとりました。

同じく、4月に訪中したフランスのオランド大統領も、ダライ・ラマ14世との会談を回避したため、訪中が実現したと言われています。

欧米諸国のこうした姿勢は、人権の擁護はあくまでも建前であり、巨大な中国市場を失いたくないという本音を表しています。

米国やフランスといった国でさえ、自由や人権の守護者の地位を後退させつつあります。

しかし、これが国際政治の現実です。

日本は、自由や人権擁護といった価値観で各国と連携を図りながら、自主防衛力を強化する必要性があることが分かります。

※:12月18日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/131218/amr13121821420009-n1.htm