関西電力は、5月1日から家庭向けの電気料金を平均で9.75%値上げしました(※)。
企業向けの電気料金については、既に4月1日から平均で17.26%の値上げを実施しています。
アベノミクスの効果で株価の上昇など景気回復に向けて光が差してきたものの、現段階で恩恵を受けているのは大企業が中心との声が聞かれます。
中小企業にアベノミクスの恩恵が行きわたる前に、電気料金の値上げや、円安による輸入資材調達コストの上昇が、経営に悪影響を及ぼし始めています。
また、アベノミクスが功を奏し、政府・日銀が目指す毎年2%の物価上昇が達成され、賃金も同様に上昇したとすれば、現在は円安により業績が回復しつつある輸出企業も、今後、相応のイノベーションを実施しなければ、やがて物価や人件費が上昇し国際競争力が低下してしまいます。
更に、順調に景気が回復し中小企業にアベノミクスの恩恵が届き始めたとしても、来年4月には消費税増税が控えています。
この増税により、ようやく届き始めた恩恵も一転し経営が危機に陥る中小企業が増えることが予想されます。
アベノミクスの金融緩和により市場に供給された大量の資金が、次代の日本を支える成長産業を生み出すことができるかがポイントですが、
その前に政府は景気が回復しつつあったとしても、来年4月の消費税増税実施の判断を行えば、急速な景気の低迷を招きます。
※:5月1日付神戸新聞http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201304/0005943697.shtml