安倍首相は、3月15日、TPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加を正式に表明しました(※)。
政府も、同日、TPPへの参加で全ての関税が撤廃されたとしても日本のGDPが3.2兆円押し上げられるとの試算を公表しています。
今後、米や麦などの関税や国民皆保険制度など、いわゆる聖域を確保できるかどうかが焦点となりますが、農業団体などからの強い反発が予想されます。
この日本が主張している聖域については、既にTPP参加交渉を進めている国の中から、懸念する声が出ており、日本に対してこれまでの交渉で積み重ねた合意を厳守するよう求める考えで一致しています。
確かに、日本にとって国民皆保険制度など守るべきものはあるかと思いますが、農産品の関税撤廃については、どうしても既得権団体による利益確保の色合いが強いというイメージを拭いきれません。
農業団体などは、TPPへの参加で日本の農業が壊滅するなどとしています。
しかし、日本の農業は、集票の思惑から、政治的に過度に保護されてきたのであり、そもそもTPPに参加しなかったとしても、非効率的で高齢化した日本の農業がこのまま10年、20年と生き残れるはずはありません。
TPPの参加を契機として、規制を緩和するなどして、日本の農業を抜本的に改めるべきではないでしょうか。
もともと、日本の農業産品は品質が高く、生産技術も高度なものがあります。
世界の他の国々と同水準の作物を作っていてはダメですが、他の国では作れない高品質な作物を作ることにより、日本の農業は十分世界に通用します。
是非、日本はTPPに参加して、自由貿易の下、日本とアジア・太平洋地域の経済繁栄を築き上げ、合わせて中国のような国家資本主義に対する包囲網を形成し行くべきではないでしょうか。
※:3月15日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130315-OYT1T01068.htm?from=main1