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2013/03/10【民意を正確に反映するには中選挙区制に戻すべき】

自民党の石破幹事長は、3月9日に行われた講演で、「去年の衆院選でボロ勝ちしたが、頂いた得票は43%でしかない」と語ったとのことです(※)。

衆院選で大勝し政権に返り咲いた自民党ですが、7月の参院選に向けて党内を戒める意味があったようです。

しかし、これが現在の小選挙区制度のデメリットの一つなのです。

去年の衆院選では、300の小選挙区で、投票総数の約56%に当たる3730万票がいわゆる死に票になり、多くの有権者の投票が実際の議席獲得に結びつきませんでした。

しかも、現行の制度では、小選挙区で落選しても、比例区で復活当選する場合があります。つまり、小選挙区で、「その候補者はふさわしくない」として落選した候補者も、民意に反して復活当選してしまうこともあるのです。

確かに、小選挙区制度のメリットとして安定的な与党が成立しやすいのかもしれませんが、先の民主党政権のようにマスコミの影響などによりブーム的に盛り上がって、実際には政権運営能力に乏しい政党が安定過半数を取得してしまうこともあるのです。

6日の東京高裁、7日の札幌高裁ではともに、昨年の衆院選での一票の格差について、違憲とする判決が出ています。

「選挙そのものが無効」という請求は退けられましたが、一票の格差是正の意味からも、早急に現行の選挙制度を改める必要があると思います。

大政党、小政党、それぞれ思惑があり、各党とも主張がバラバラですが、有権者の声をより反映には、やはり中選挙区制度に戻すべきではないでしょうか。

各中選挙区で人口比率によって一票の格差を少なくする方向で複数の候補者が当選する制度にすれば、死に票も減らせます。

現職の国会議員には、選挙制度を抜本的に改める覚悟が問われています。

※:3月10日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20130310-OYT1T00245.htm?from=ylist