懸案となっているTPP問題について、安倍首相は2月に予定されている日米首脳会談での日本の参加表明を見送る可能性が高いとのことです(※1)。
農業団体などが参加に反対であることから、7月の参院選に何としても勝ちたい安倍首相が、結論を先送りしたものと考えられます。
しかし、7月の参院選後に日本が参加表明したとしても、TPP交渉を主導する米国には、他国と通商交渉を始める際、議会で90日間かけて承認を得ることになっているため、TPPの大枠がまとまる可能性が高い10月のTPP交渉参加国が開く首脳会合に間に合わない公算が高いとのことです(※2)。
私たち幸福実現党は、日本はTPPに参加すべきであると考えています。
確かに、TPPに参加することで、ダメージを被る既得権団体などがあると思いますが、TPP参加で日本がますます強くなる可能性があるのです。
関税の撤廃で輸出産業は有利になることは言うに及ばず、海外から安い財やサービスが輸入されることにより国民にもメリットがあり、輸出入国間で互恵関係が成り立つのです。
更に、このブログで何度も取り上げていますが、日本の農業は高い技術力と生産性で、世界に打って出ることも十分可能です。
バラマキや保護政策で、農業は決して強くはならないばかりか、食糧自給率さえ向上していないのです。
更に、TPPには忘れてはならない視点があります。
それは、中国に対する牽制になるからです。
TPPには知的財産権の保護や人権重視、環境保護などの概念が入っていることから、これらを是正することが無い限り中国はTPPに参加することが困難なのです。
TPPについては、自民党内部でも反対が少なくありませんが、歪んだ日本の農政の責任の多くは自民党にあることを自覚すべきです。
選挙での農業関係者の票をとるのか、それとも日本の未来産業の構築に資する道を選ぶのか、安倍政権の覚悟が問われています。
※1:1月13日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130113/plc13011301130000-n1.htm
※2:1月15日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130115-OYT1T01337.htm?from=main3