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2012/10/19【“脱原発依存”ならぬ“脱中国依存”】

10月18日に、中国国家統計局が発表した7~9月期のGDPの伸びは、7.4%増に留まり、7四半期連続で前期を下回りました(※)。

そもそも、中国国家統計局の発表値は、正しいのか検証の余地はありますが、これで、中国経済の減退が一段と鮮明になりました。

尖閣諸島の国有化で、中国による日本に対する経済の締め付けが続いており、中国に進出した企業や輸出に依存している企業は痛手を受けています。

しかし、今回の国有化以降、いわゆる「チャイナリスク」がどういったものか、はっきりしてきたのではないでしょうか。

経済的な締め付け以外にも、官製デモやそれに伴う暴徒による日本企業への破壊や略奪行為、当局による日本の出版物の差し押さえなど、様々な嫌がらせを行っています。

一党独裁国家である中国は、党の裁量次第で、日本に対する締め付けをいかようにも繰り出せるのです。

従って、今回の出来事を契機に、「脱中国依存」を進めるべきではないでしょうか。

大和総研の試算では、対中輸出が1カ月停止すれば、年間で日本のGDPが約0.2%押し下げられるとしています。

現在、中国は日本の最大の貿易相手国であり、この数字は小さくありませんが、悲観するほどの数字ではありません。

今後、ASEANやインド、ロシアとの経済協調体制を強化し、これらへの投資を促して市場を育成していくことでカバーしていくべきだと考えます。

更に、国内においても、防衛や航空宇宙などといった新産業の育成で、一層の内需拡大を図っていく必要があります。

日本の中国からの撤退で、ダメージを受けるのは日本よりも輸出依存度が大きい中国のほうです。

経済が停滞すれば、中国共産党の一党独裁体制も揺らぎます。

日本は政府が主体となって、戦略的に経済の「脱中国依存」を進めると同時に、企業も対中投資を見直すべきではないでしょうか。

※:10月18日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20121018-OYT1T00501.htm