7月
16

2012/07/16【沖縄への言論戦を強める中国に対応を】

中国人民解放軍の高官が、「日本は沖縄から退くべきだ」と主張していたと報じられています(※)。

その中で同高官は、尖閣諸島の領有権に関連して「問題の視野をさらに広げて沖縄の(中国への)帰属問題を正式に議論しなければならない」と述べたとのことです。

最近、中国国内では、「沖縄はもともと中国の属国だった」というウソを捏造して喧伝しており、「日本により虐げられている沖縄を開放しなければならない」と煽っています。

しかし、沖縄のルーツは中国であったとする主張は乱暴すぎます。

明星大学戦後教育史研究センター・同同大学非常勤講師の勝岡寛次氏によれば、研究の結果「沖縄と本土は、人種的・歴史的・言語的ルーツはまったく同じである」としています。

例えば、「いらっしゃいませ」を沖縄の方言で「めんそーれ」と言いますが、これは日本語の「参(まい)り候(そうら)え」がなまったものであり、日本語の方言の一つだということが分かります。

そもそも、中国が独立国の主権を回復する手伝いをするというのであれば、自らが侵略した、チベット、ウイグル、内モンゴルについては、どう言い訳するのでしょうか。

中国が侵略したこうした地域では、現在も厳しい弾圧が続いており、自由や基本的人権といった人類に普遍的な原理が認められていません。

日本国内では、中国の公人が日本に対する過激な発言をしても、ほとんど報道されませんが、こうしたことを放置しておくと、中国はますますエスカレートした対応をしてきます。

中国が沖縄に対する言論戦を仕掛けてくるのであれば、日本も中国の人権問題に積極的に関与して、民主化への働きかけを強めることが、中国の覇権を抑止する力にもなるのではないでしょうか。

※:7月13日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/120713/kor12071313220001-n1.htm