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2012/07/01【国民の目への映りかたを察知することに長けている橋下氏】

6月28日、「大阪維新の会」代表の橋下大阪市長が政治資金パーティーで、「多くの皆さんの声をいただけたら、必ずや日本を新しい方向に導いていく自信はある」と述べ、事実上、次期衆院選で全国に候補者を擁立する考えを示しました(※1)。

橋下氏は、6月8日の定例会見では「(大阪都構想の法整備が今国会で行われれば、自分たちが)国政進出をそれほど積極的に考える必要はないんじゃないか」と述べていました。

国会では、民主、自民、公明、みんな、国民新の5党が同じく28日に、大阪都構想の実現に向け、東京都以外でも特別区を設置することを認める新法案の内容について大筋合意しました(※2)。

これにより、大阪都構想の法整備の目途が立ち、そもそもの大阪維新の会が国政に進出する前提が崩れたわけです。

しかし、今回、橋下氏は、今度は「国の仕組みを根本的に変えていくため、消費税の地方税化と地方交付税の廃止を争点に持っていきたい」と述べて、国政進出への意欲を改めて示しました(※1)。

こうした橋下氏の変節ぶりはいつものことのようです。

原発の再稼動問題でも、橋下氏は、当初、政府による大飯原発の安全宣言に対して、「本当におかしい。このプロセスで(再稼動を)許したら本当に怖いことになる。政権を代わってもらわないと」と息巻いていました。

それが、「原発を再稼働させなくても(今夏の電力需要を)乗り切れるかどうかは関西府県民の努力次第。その負担が受け入れられないなら、再稼働は仕方がない」と、一転して府県民のせいにして再稼動容認に転換しています。

橋下氏の発言がころころと変わるのは、深い理由があってのことではなく、「どうしたら、より票が取れるか」という視点で、風を読んでいるだけに映ります。

しかし、マスコミは、現時点ではこうした橋下氏に対してほとんど批判らしい批判をしていません。

醜態をさらす民主党政権ですが、政権交代前後は、マスコミの多くが民主党政権を持ち上げていました。

同様に、マスコミは橋下氏についても、もてはやして「橋下政権」に押し上げるつもりなのでしょうか。

橋下氏は国民の目への映りかたを察知することに長けているため、マスコミも視聴率が取れて使いやすいようです。

国政の場では、こうした無節操な態度のリーダーでは、取り返しのつかない事態になりかねません。

大川隆法幸福実現党名誉総裁も、5月に行った守護霊インタビュー(大川隆法著『徹底霊査 橋下徹は宰相の器か』幸福の科学出版)で、「国政で天下を取りたかったら、やはり、勉強しなければ駄目だと申し上げたい」と橋下氏を評しています。

国民も、マスコミに惑わされることなく、冷静な目で判断しなければなりません。

※1:6月28日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120628/stt12062823070009-n1.htm

※2:6月28日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120628-OYT1T01236.htm