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2012/05/12【領有権拡大を図る中国に対し、日本は実効支配の強化を】

なりふり構わぬ中国の領有権拡大と資源奪取に、南シナ海では緊張が高まっています。

南シナ海のスカボロー礁の領有権を巡って中国とフィリピンの艦船がにらみ合いを続けている問題で、中国は旅行会社がフィリピンへの中国人渡航ツアーを中止したり、フィリピン産の果物に対する検疫を強化したりするなど、経済的な圧力とも取れる行動にでています(※)。

東シナ海においても、海洋権益をめぐって2010年9月の尖閣諸島沖漁船衝突事件以降、中国は海洋調査船や監視船などの活動を活発化させ、領海侵犯等の事案も相次いでいます。

しかし、歴代の日本政府は、中国の顔色をばかり伺って、有効な対抗策を何ら講じてきませんでした。

こうした状況は、第二次世界大戦前のヨーロッパに似ている部分があります。

第二次世界大戦時の英国の首相チャーチルは大戦を振り返って、「この戦争は必要のない戦争だった」と語りました。

これは、大戦前のヨーロッパが、安易な平和主義により、ヒトラーのドイツに対し融和政策を重ねた結果、ナチス勢力の拡大と暴挙を増長させ、大戦を招いたとの指摘です。

一党独裁国家である中国の軍拡に目を向けず、平和憲法を唱えるだけでは平和を守ることはできません。

4月に東京都の石原知事が、都として尖閣諸島を購入する意向を示し、地権者との交渉を進めていることを明らかにしましたが、そもそも、国領土を守るのは日本政府の役割にほかなりません。

尖閣防衛のためには、国として尖閣国有化に動くだけではなく、中国が尖閣上陸などの強硬策に出る事態も想定し、実効統治の強化を図るべきです。

漁港等の施設建設により日本人が往来できるようにするほか、守りを固めるべく、先島諸島への自衛隊常駐や、外国による主権侵害を強制力で排除しうる領海警備法などの法整備を急ぐべきです。

※:5月10日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/120510/chn12051019250002-n1.htm