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2012/04/29【若者世代の生活保護増加の背景】

間もなくメーデーですが、本来は働ける世代の生活保護受給者の増加が懸念されています。

厚生労働省の発表によれば、昨年1月末現在で生活保護受給者数は207万9761人(速報値)とのことです。

この内、20歳~39歳の年代の生活保護受給者はここ15年で倍増しています。

インターネット上でも話題になっていますが、こうした年代で受給者が増えている理由に、働くよりも生活保護を受けた方が得とする考えがあるようです。

生活保護受給者は、医療費や介護費が無料、家賃は上限付きで無料、NHKの受信料や住民税や国民年金保険料が免除、JR通勤定期運賃や光熱費が減額となります。

その上で、生活保護受給者は、独身者でも月に10万~15万円受給できます。

ここで、例えば兵庫県の最低賃金739円/時間で、月収を計算してみると、最大の所定労働時間の平均は月173.8時間なので、12万8438円となります。

これは、年収200万円以下のワーキングプアと呼ばれる人よりも、生活保護受給者の方が、可処分所得が多くなる場合があることを意味します。

つまり、「働かないで生活保護を受けている方が得をする」ことがあるため、若者の生活保護受給者が増加していると考えられます。そもそも生活保護は、病気や怪我などのやむをえない事情で生活が困難になった人の生活を保護し、自立を促すためのセーフティネットなので、全ての人がこうした考えで生活保護を受けている訳ではないでしょうが、本来働ける人が生活保護を不正受給し、遊興費に費やしている若者が増加しているのであれば、生活保護本来の目的から逸脱しています。

こうした話をすると、すぐに最低賃金を上げればいいと短絡的に考える向きもありますが、賃金は本来経済原理に基づいて決まるものであり、例えば最低賃金を一律千円にしたとすれば、すぐに雇用が減る上に、経済活動も縮小するでしょう。

従って、具体的な対策としては、生活保護の最低金額の値下げや、生活保護審査の厳格化などを検討すべきではないでしょうか。

民主党政権のもとでは、自助努力という言葉がともすれば美徳に思われなくなり、結果平等を求める風潮が強まっている傾向にあると感じられます。

働かない若者が増えると国家は衰退します。

「働いても貧乏な人が増えている」ことをことさら喧伝するのではなく、「貧しくとも働くことで道を開く」という自助努力の精神を取り戻すべきではないでしょうか。