政府と民主党は3月13日、短時間労働者の厚生年金、健康保険への加入拡大について、501人以上の企業で働く年収94万円以上の人、約45万人を対象にすることを決めました。
この改正法案は今国会で提出され、法案が通過すると2016年4月から実施される予定です。
一見、パートなど短時間労働者の待遇改善を促すようなこの政策ですが、この保険対象者の拡大は、足りない厚生年金や医療保険の財源を確保するために「取れそうなところから取る」ためのものといえます。
既に破たん状態の年金制度を抜本的に改革することのない適用の拡大は、単なる延命策に過ぎません。
この保険料は企業と被保険者である従業員が折半で負担するため、負担が増す企業側の反発が強かったのですが、「そもそも従業員が加入を望んでいるのか」という問題があります。
当然、加入を希望する人もいると思いますが、一方で加入を望まない人がいるのも現実です。
加入を望まない理由として多いものに、「家計を支えるため少しでも収入がほしい」、「将来の年金支給はあてにならない」などがあります。
適用が拡大される年収94万円は、月収にすると7万8千円程度になり、このうち1万円近い保険料が取られてしまう計算になります。
こうなると、保険料をとられないようにパートのシフトを減らそうと考える事業所が出ることが予想されます。
つまり、労働時間が減り経済が縮小することに繋がります。
このように、民主党政権は、一見耳障りの良いバラマキ政策を行うことが、実際の家計や経済にどんな影響を及ぼすのかが全く分かっていません。
政府のバラマキ政策のために、国民の負担がまた増えることになりそうです。
私たち幸福実現党は、公的年金の破たんを見すえ、若い世代向けの積立方式の新たな公的年金を検討しています。